2012年9月25日火曜日

一休宗純『狂雲集』より

両片皮、復(ま)た一具の骨
鳥虫馬牛、更に魔仏
混沌未分、暗昏昏、
雲月は知る、誰が為の風物なるかを。


人には二つの耳たぶと、一そろいの骨が具わっている、
鳥虫馬牛、また魔仏と、さまざまだ。
天地が開けるまでは、すべては暗闇に包まれて混沌としていた、
雲や月は、誰かのための風物ではないことを知っている



(『狂雲集』488番,石井恭二編訳『一休和尚大全』より)


〔白文〕
兩片皮復一具骨 鳥蟲馬牛更魔佛 混沌未分暗昏昏 雲月知爲誰風物


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 少年期から八十代にいたるまで、酒、女色、男色、風狂に生きた一休さん(1394-1481)の詩の中でもとりわけ深遠な一篇。


Mugi NAKAJIMA 

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