2013年3月9日土曜日

大橋範子展「行こう、行こう、LETTING GO.」 於、GALLERY wks.(大阪・西天満)

自分の腕をナイフで切り裂いたり、スズメバチを食べたり、カモを屠ったり、厳冬の雪原で全裸になったりという過激なパフォーマンスでいつも物議を醸してきた大橋範子さんの表現は、(反)芸術極道といいうるなにものかである。
それがとうとう、閾を完全に突き抜けてしまった。

★Phase 1

 電球の熱で焼けたリンゴからは甘い香りがおだやかに漂う。
 クスノキを彫った大女。大橋さんのパフォーマンスにそっくり。
 大橋さんがパフォーマンスに使ったシンバルは誰でも叩くことができる。叩いた人も、周囲の人もみな表情がほころび、晴れやかになる。
 映像インスタレーションより、熊本城にて。
九州のとある街の軍歌バーにて。
92歳のダダカン(糸井貫二)さんとのコラボレーション。

《2/11 オープニング・パフォーマンス 大橋範子&平魚泳(ひらさかなおよぐ)》



★Phase 2
 「社会を方向づけられないアートは、それゆえ社会の核心にある問題を洞察することもできず、結局資本の問題にインパクトを与えられない。そのようなものはアートではない。」
ヨーゼフ・ボイス
 大橋さんの個展開催へのお祝いにダダカンさんから贈られた伊藤博文の旧千円札を、ドラム缶風呂に浮かべている。ご祝儀がすでにしてメールアートなのだから、これは正しい使い方なのだろう。
 大女の顔が彩色され、乳房には小麦粉で膨らみが・・・
ダダカンさんからのメールアート。

《2/23 POEAC.007での大橋さん》


 佐久間新さんがクスノキの大女に匍い登る。
佐久間さんが通過した後の大女。

★Phase 3


《3/2 クロージング・パフォーマンス wks.~大阪高裁》



反原発運動への不当弾圧に対する抗議のパフォーマンス。


突き抜ける。ダダカンさんをはじめ、大橋さんが出会うべくして出会った人々との共同によって、共にあることのよろこびへと。

GALLERY wks. 2/11~3/2

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。